観勢寺で親鸞聖人の報恩講が勤められました


1周年記念を兼ね報恩講開催

皆さん、こんにちは。

11月といえば、報恩講(ほうおんこう)の季節です。

親鸞聖人のご命日(11月28日)の前後につとめられる、

浄土真宗で最大の行事「報恩講」。

富山では「ほんこさん」などと親しみを込めて呼ばれ、

テレビのニュースなどでも、

どこそこで、ほんこさんの行事がつとめられました、

と報道されることもあります。

観勢寺が生まれ変わって約1年、その1周年記念も兼ね、

11月3日に、観勢寺でも親鸞聖人報恩講が勤められました。

今日はその様子をお伝えします。


報恩講の目的と寺の役割とは?

報恩講は、読んで字のごとく「恩に報いる集まり(講)」

私たちは、さまざまなご恩を受けて、生かされています。

「おかげさまで」とは、ご恩を感じる心から出る言葉。

いろいろな人やもの、自然の恵みなどのおかげで、

今の私があります。

それらに感謝の気持ちを持つことは、人として、

とても大切な心がけであることは言うまでもありません。

反対に、自分の力で何もかもやってきたようにうぬぼれ、

感謝の心のない人は、不幸な人といわれます。

その人の心には、喜びも、豊かさも、ないからです。

親や先生、友達、周りの人の支えなど、

今の自分があるのは、どなたのどんなご恩のおかげか、

本当は毎日でも振り返って感謝したいものですが、

報恩講の「恩」とは、それらさまざまな人や物の

ご恩のことではなく、「親鸞聖人のご恩」です。

ですから、報恩講とは、

親鸞聖人のご恩に報いる集まり、です。

浄土真宗の私たちが、報恩講をつとめる目的は、

親鸞聖人のご恩に報いるため、です。

それには、親鸞聖人からどんなご恩を受けているのか、

そして親鸞聖人のご恩に報いるにはどうすればいいのか、

聞かなければ分かりません。

その答えは、すべて親鸞聖人の教えの中にあります。

だから、親鸞聖人の教えを聞かせていただかなければ、

親鸞聖人からどんなご恩を受けているかも分かりませんし、

親鸞聖人のご恩に報いるにはどうすればいいのかも、

やっぱり分かりません。

報恩講を本当に勤めることは、できないことになります。

その親鸞聖人の教えをお伝えするのが寺の役割ですから、

観勢寺の報恩講でも親鸞聖人の教えを聞かせていただく

「説法」「聞法」の時間をいちばん中心に勤められました。


観勢寺の報恩講

では、観勢寺の報恩講の様子をお伝えしましょう。

行事は以下の内容でした。

1.朝の勤行

観勢寺を拝観に訪れる方が、最も目を見張られるのは、

中央のお仏壇にご安置されている

「南無阿弥陀仏」の御名号本尊です。

報恩講では、その御名号に向かって導師に合わせて、

満堂の参詣者で、声を合わせて勤行が行われました。


2.体験発表

ご門徒の中から、代表で1名の方に体験発表をして

いただきました。

親鸞聖人の教えを聞かせていただくようになるまでの

紆余曲折のドラマに、多くの人が涙を誘われました。

仏縁ほど、不思議でありがたいものはありませんね。

このブログを読まれる方一人一人にも、きっと、

親鸞聖人の教えとの出会いのドラマがおありでしょう。

あのとき、あの場所で、あの出会いがなかったら、

一生、ご縁がなかったかもしれない、ということが、

あると思います。

そんな仏縁のありがたさをかみしめずにいられない、

体験発表でした。


3.午前の説法

体験発表の後は、午前の説法がありました。

招待した布教使の先生より、

「観勢寺は1年前に生まれ変わりましたが、建物が

新しくなっただけでは生まれ変わったとはいえません。

本当に生まれ変わったといえるのは、

親鸞聖人の教えが説かれるお寺になることです。

観勢寺は、本当の意味で、生まれ変わりました」

と激励の言葉をいただきました。

そして、そのあと1時間30分、親鸞聖人の教えを、

蓮如上人の「白骨の御文章」を通して説法され、

参詣者一同、真剣に聴聞させていただきました。


4.昼のおとき

午前の説法のあとは、参詣者の皆さんと楽しく、

おとき(食事)の時間となりました。

近所で、柿を分けてくださる方があり、また、

畑からさつまいもを持ってきてくださる方あり、

あたたかい心づかいにあふれる食事会でした。

1年前の始まりから、最近の観勢寺の様子まで、

語りつくせぬドラマの一端を、内野住職さんから

聞き、胸が熱くなりました。

食事のあとはコーヒータイム。外を散策したり、

大勢の参詣者でしたが、皆さん、くつろいで、

楽しい時間を過ごされていました。


5.午後の勤行

午後も、ご説法の前に、全員で「正信偈」勤行。

浄土真宗の伝統的な法話では、ご説法の前に、

勤行をいたします。

観勢寺でも、そのようにしています。


6.午後の説法

勤行のあとは、午後の説法でした。

午前に続き、「白骨の御文章」を通して、

親鸞聖人の教えを聞かせていただきました。

「されば、誰の人も、はやく

 後生の一大事をこころにかけて、

 阿弥陀仏を深くたのみまいらせて

 念仏申すべきものなり」(蓮如上人)

後生の一大事の解決の道こそ、親鸞聖人が

90年のご生涯、教え続けられたことでした。


7.お供物

報恩講の帰りには、お仏壇にお供えしていた

紅白まんじゅうのお供物をおさげして、

参詣された皆さんにお配りしました。

また、いつもお世話になっているご近所の

皆さまにも、お届けしました。

天候にも恵まれ、充実した観勢寺報恩講の1日が、

こうして終了いたしました。


観勢寺の拝観も大にぎわい

ところで、この報恩講の日も、名古屋方面から、

報恩講終了後に数名の拝観者が訪れていました。

生まれ変わった観勢寺のうわさを聞かれて、

拝観に訪れる方が増えているようです。

なかには、リピーターも!

観勢寺の拝観を希望される方は、

フェイスブックなどから事前にお申し込みください。

観勢寺も、住職も素敵ですよ。